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理事長メッセージ 理事長所信理事長のひとこと

理事長所信

理事長 金子 肇 理事長 金子 肇

基本理念

一意邁進

スローガン

一意邁進
〜明日を今日より素晴らしきものに〜

基本方針

  1. 希望(ゆめ)が溢れる社会の創造
  2. 会員拡大と修練による強靭な組織の構築



はじめに

 「今、我々は市民が誇りに思える真の自立都市実現を目指して、我々の住む地域社会のために常に進歩への果敢な挑戦を行い、次代の旗手たらんことを誓いここに埼玉中央青年会議所の創立を宣言する。」
 これは創立宣言文の一文です。この青年らしい先駆けの精神に満ちた宣言から20年目を迎える我々公益社団法人埼玉中央青年会議所は、先人達が築き上げてきた伝統を次代へと繋げるために、そして、新たな歴史を創るために、力強く更なる一歩を踏み出します。
 埼玉中央青年会議所は、大宮、浦和、上尾、与野、岩槻の5つの青年会議所が、それぞれの価値観、歴史を持ちながらも、「市民が誇りに思える真の自立都市」の実現という大きな目的のため解散し、新たな青年会議所として誕生しました。しかし、我々は5つの青年会議所が地域市民と共に紡いできたそれぞれの運動の歴史が埼玉中央青年会議所の土台として確かに在ることを自覚し、先人の想いを継承する者として相応しい青年としての気概 と覚悟を見せなければなりません。
 現在、我が国は教育・少子化問題、景気・雇用問題、環境・エネルギー問題等、多くの問題に直面しており、「誰かがいつかやってくれるだろう」と自分や家族が関わる問題であるにも関わらず、他人事のように思っている人々が多いと感じます。このような時代であるからこそ、我々は率先垂範の精神により市民意識の変革を促すための活動を通じて、自分のみならず周りの幸せも願うことができ、そのような人々が集う、魅力溢れる地域を創 り上げていきたいと考えます。
 埼玉中央青年会議所が地域に必要とされる団体であり続けるために、我々は青年らしく積極果敢に運動に取り組んでいきます。



希望(ゆめ)が溢れる社会の創造

<感受性豊かな人材の育成>

 現在の子供達を取り巻く環境は、社会体験や自然体験の減少によって子供達の生活からゆとりが奪われ、自我の形成が不十分なままに受験等の競争社会にさらされています。本来であれば自由で柔軟な思考を育むはずの大切な時期に他者よりも優れることが重要であると教えられた結果、相手の個性を尊重し、互いの違いを認め合うことができない子供達が多くなっています。それによって引き起こされるいじめ問題の深刻化や少年犯罪の低年 齢化も進み、健全な心の成長を育む情操教育の在り方が問われています。
 子供を育てることは子供が自らの力で成長できる環境を作り上げることだと考えます。それにはその環境を作り上げる我々大人が、まず相手の心を思いやり、人と人との繋がりこそが生きていく上で何よりも大切であると感じる柔軟で豊かな心を持つことが必要です。 そのような大人の背中を見た子供達が、その背中に憧れ、自らの理想とすることで、子供達の健やかでたくましい成長に繋がると確信しています。
 また、子供の成長に欠かせない大切な要素の1つは夢を持つことです。子供達はインターネットをはじめとする様々なメディアを通して多くの知識や情報を簡単に取得でき、スポーツやビジネス、科学技術等の分野で成功した人々や偉業を知ることができます。子供達がその成功者に憧れ、そのように自分もなりたいと夢を持つことは自然なことです。しかし実体験が伴わなければその夢は自分の中にしっかりと根ざしたものにならず、少しの挫折で諦めてしまうものとなりがちです。だからこそ我々大人が、子供達の心に響く体験をする機会を積極的に創出することが必要なのです。その本物体験を通じて、抱いた夢に現実感が生まれ、その実現のためであれば困難に打ち克とうと思う心や簡単に夢を諦めな い心も備わってくると考えます。


<魅力溢れる地域の創造>

 我々の活動エリアには、歴史、伝統産業、スポーツ、施設、食文化等の多彩で魅力的な地域資源、「たから」が存在します。しかしながら、このような魅力があるにも関わらず、発信力が弱く、ブランディングも十分になされていないと感じます。我々の地域は鉄道並びに道路網が非常に発達し、その交通アクセスの良さから東日本の玄関口と呼ばれております。また、都心への通勤圏であることから、他地域からの転入者が多い地域となっていますが、その反面、自分達が住む地域の事を詳しく知らない市民が多い地域であるとも言えます。まずは、自らのまちに存在する魅力溢れる「たから」を知ってもらい、まちに対する関心、そして誇りと愛着を更に深く持ってもらいたいと考えます。そして、まちを好きになり、自分のみならず子々孫々までがこのまちに住み暮らして欲しいと願う地域市民が増えることで、「自分達が暮らすまちだから自分達で良くしていこう」という考えが浸透 し、地域市民が積極的にまちづくりに参画していく気運が高まります。
 国では地方分権へ向けての動きが引き続き進んでいますが、財源が限られてくる状況においては地域特性を活かした自治の手法を構築する必要があり、これは市民、行政、学校、企業が手に手を取り合い、多面的な視点で進めなければ実現不可能であります。来たるべき時代に備えるために、我々が産学官民を結ぶパイプ役を担い、協働するための下地を更に強固なものにしていかなければなりません。そして、我々は自分達のまちの未来を明確にイメージする必要があります。緑豊かな自然と都市機能が共存するまち、災害に強いまち、スポーツのまち、世界に誇れる文化を持つ国際観光のまち等、様々な視点からまちの将来を考えて青年会議所運動を展開する事で、まちの魅力を更に輝かせることができます。



会員拡大と修練による強靭な組織の構築

<会員の増強>

 青年会議所は20歳から40歳までと年齢制限があります。第二次ベビーブーム世代の卒業や長引く景気の停滞等、様々な理由による会員の減少は全国の会員会議所でも直面している問題であり、我々の地域でも会員拡大は急務となっています。我々が市民意識の変革を起こすために運動発信する団体であるならば、その担い手が減ることは発信力の低下も意味し、組織の存在意義に関わる問題であると言えます。会員減少の要因の一つに、青 年会議所の魅力を伝えられるメンバーの減少があると考えます。最近の傾向として、30代半ばで入会し、4〜5年間活動してすぐに卒業するメンバーが多くなり、経験不足から青年会議所の意義と目的、そして活動することで得られるかけがえのない経験を情熱を持って伝えられるメンバーが少なくなっています。このような現状を変えるために若いメンバーを積極的に入会させることはもちろんですが、現存のメンバーの意識を更に高める必要があります。そのためには今よりも会員同士の交流を密にし、お互いの資質や意気を高め合い仲間としての絆を育むと共に、自らの成長に繋がる例会や運動理念が凝縮された事業への参加を通じて、青年会議所の意義や目的、青年会議所運動の尊さを感じることが重要です。そのようにして成長したメンバーが次代を担う新たなメンバーを生み出し、青年会議所運動への想いを継承させていくことで、真の意味での会員増強を行います。


<会員の修練と強靭な組織運営>

 我々青年会議所メンバーは一人の青年経済人として、会社の発展や自己実現のために持続的に成長していく必要があります。成長するためには技術、知識を習得するだけではなく、経済人としての適切な資質を理解し、身に付けなければなりません。スポーツの世界では「心・技・体」という表現を使用し、スポーツマンとして大成するためにはこの三位一体が不可欠とされていますが、会社経営においてもこの考えは当てはまると考えます。将来のビジョン、専門知識・技術、自己管理、この「心・技・体」を一つも欠けることなく高いバランスで維持することが青年経済人としての成長に繋がり、会社の発展にも大きく寄与できると考えます。
 青年会議所はその名の通り会議を行い、その会議内で取り決めた活動を行う団体でもあります。ロバート議事法を基本とする会議の運営方法を実践し、確りとした理念を基に活動を行うためには、メンバー一人ひとりが運動理念への理解を深め、同じベクトルへその力を集約させていかなければなりません。公益社団格を取得したことの意義を考えれば、我々の活動は、公に資する心を持って行う必要があり、現在の社会のニーズを把握しつつ、 将来を見据え、地域市民を牽引する運動展開が出来る組織にしなければなりません。
 そのための手法の一つに出向があります。日本青年会議所、関東地区協議会、埼玉ブロック協議会にそれぞれ出向者を輩出することで、埼玉中央青年会議所が置かれている現状を正確に把握できる広い視野を持つことができ、全国各地で行われている地域の特色を活 かした多くの事業に学び、それぞれの組織運営の長所を学ぶことで、メンバー一人ひとりのスキルアップに繋がります。そして全国の志高いメンバーとの交流により、運動意識を昂揚し、多くの経験や学びを得たメンバーが個として成長し、その知識や経験をフィードバックすることで組織全体の成長にも繋がり、広い視野を持つ柔軟で強かな組織運営を行います。


<希望(ゆめ)に繋がる会員の成長>

 2005年の創立10周年時に策定した地域ビジョン「ビジョン2005」はこの10年の間、我々の運動の方向性を指し示してきましたが、地域を取り巻く環境はこの10年の間にも様々に変化してきました。今後の運動が魅力に溢れ、効果的なものであり続ける ためにも、この方向性を確認する必要があります。時代に即した地域ビジョンであることは当然ですが、その中にも我々の変わらない理想である、英知と勇気と情熱をもって明るい豊かな社会を築き上げること、そして、地域市民が素晴らしい明日を信じることが出来る希望(ゆめ)のまちを築き上げていくことを広く示し、まちの未来を照らす存在となる自覚と責任を持ち、20年目という節目の年を希望に満ちた飛躍の年にします。
 昨年10月に行われた公益社団法人日本青年会議所第63回全国大会松山大会の理事会におきまして、2017年に開催予定の第66回全国大会を我々埼玉中央青年会議所が主管することが決議されました。「会員の運動意識の昂揚」、「開催地域の活性化と市民意識の変革」、「世論を確実に動かし、社会にポジティブな変化を巻き起こす」、青年会議所の全国大会には以上の3つの目的が存在します。そしてこの目的達成のために我々は誘致理念に 「未来を切り拓く、希望(ゆめ)の力」を掲げております。地域市民が自らの夢の実現のために目を輝かせて邁進していく活気と笑顔が溢れた社会の創造、これを可能にする力が希望(ゆめ)の力であり、我々はこの力を全国大会で発信することで、将来の地域ビジョンに向けた運動を加速させていきます。そしてこの想いを多くの市民や行政、関係諸団体に共有してもらい、共に大会構築に向けて協働していくために、積極的に我々の運動理念を発信し、今以上に地域に浸透させていきます。また、全国大会での希望(ゆめ)の力の発信を効果的にするためには、主催である日本青年会議所の運動と歩調を合わせることや現在の埼玉中央青年会議所を作り上げてきた諸先輩方の経験と知恵を学ぶことが必要であり、そのために青年会議所全体との交流も活発化させ、相互の理解と絆を一層深めます。このように我々の周りを取り巻く全てとの繋がりを大切にし、全国大会へ向けた準備を行っていきます。



結びに

 私は2010年に埼玉中央青年会議所に入会しました。入会後に地域の市民や文化に触れ合う例会や事業に参加し、地域のことを本気で考えるLOMメンバーや出向を通じた日本や世界の志高いメンバーとの出会いにより、自らが住む地域の素晴らしさ、自らの視野の狭さに気付かされました。何より、記憶に残っているのは2011年に発生した東日本大震災の時の活動でした。当時は、右も左も分からないメンバーの一人でしたが、さいたまスーパーアリーナに避難してきた福島県双葉町の方々への炊き出し、救援物資等の支援体制を速やかにつくり上げたことに、驚きと共にこの組織の一員であることに誇りを感じました。勿論、多くの地域市民が被災した方々の手助けをしたいと考えていましたが、個人では何をすべきかも分からず手をこまねいていたと思います。そのような時に我々青年会議所が組織としての力を十二分に発揮し、様々な団体と協働しながら多くの人々の想いを被災者に届ける道筋を創り上げました。私はこのような活動を通じて生まれた絆こそが地域の財産であり、この絆のネットワークを発展させていくことが我々の団体の存在意義 であると強く感じました。
 “市民の声に耳を傾け、その想いをかたちにし、希望(ゆめ)が溢れる未来を指し示す”我々が目指す明るい豊かな社会の実現はこの先にこそ在る、と確信しています。
 創立20周年を迎える本年、更に10年後、20年後のまちの未来を見据えながら、今よりも着実に歩みを進めていかなければなりません。理想の未来に辿り着くまでの道程は遠く険しい上に近道はありませんが、我々がぶれることのない運動理念の発信を愚直なまでに継続させることで、我々のまちを「希望(ゆめ)のまち」にすることができると考えます。一歩一歩信じる道を踏みしめていくことが我々の本領であると信じ、今日より素晴らしい明日を迎えるために青年会議所運動を推し進めていきます。

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