理事長所信

理事長 木田 高史

基本理念

継往開来

基本方針

  1. 未来を担う人材の育成
  2. 輝かしい地域未来の創造
  3. 次代に繋ぐ組織の構築
  4. 多様性豊かな人材の拡大

スローガン

~輝かしい未来のための挑戦~

継往開来

 私たちの活動地域には、大宮青年会議所・浦和青年会議所・上尾青年会議所・与野青年会議所・岩槻青年会議所がありました。それぞれの青年会議所運動まで鑑みると、埼玉中央青年会議所の根底には実に60年近い長きに渡る歴史があります。戦後の混乱期が続く中、明るい豊かな社会の実現のため、果敢に挑戦し一心不乱に活動してきた当時の先輩たちによって、今日の私たちは何不自由することなく生活ができています。そして、埼玉県で初めての開催となった2017年の公益社団法人日本青年会議所第66回全国大会埼玉中央大会では、私たちに多くの学びと成長、そして自信と誇りを与えてくれました。これらは連綿と積み重ねてきた運動による成果であることを私たちは忘れてはなりません。未来に何を残していけるのか、また残していかなければならないのか、他人任せにすることなく向き合っていく必要があります。昭和から平成、そして新たな元号へと時代が大きく変わる本年、基本理念を「継往開来」と定め、先輩たちの積み上げてきた地域社会に根付いた運動を基に、現状に満足することなく、何事にも果敢に挑戦する精神を引き続き次代に繋いでいかなければなりません。

未来を担う人材の育成

 未来を担っていくのは子どもたちであり、支えていくのは大人たちです。インターネット社会の加速的発展による情報社会や核家族化、地域コミュニティーの希薄化などにより、子どもたちは利他の精神性や自制心、規範意識の低下、人間関係を形成するコミュニケーション能力、判断力などが不足していると感じます。「明るい豊かな社会」実現の根底には、社会の未来を担う子どもたちの健やかな成長は欠かせません。改めて、人と人との交流や繋がりによって築かれる思いやりある感受性豊かな人材を育成していくとともに、様々な情報から、自身が納得できる選択肢を導き出し主張ができるような判断能力を向上させていきます。また、子どもの成長を支える基盤となるのは大人たちです。利己主義的な大人社会の風潮が進展してきている状況も踏まえ、様々な社会環境の変化を論じる前に、大人たちが率先して模範となるような姿勢を見せ、利他の精神性等を成長させていかなくてはなりません。子どもと大人が一緒に成長することで、社会環境も必然的に変化していくと考えます。

 また、メンバーの多くは、経営者や企業における管理職者で構成されておりますが、当然リーダーとしての資質が問われます。リーダーシップとは、主体性をもって周囲を収めることを指します。組織とは、組織が人を作るのではなく、人によって組織が形成されていきます。即ち、組織とは所属する人により如何様にもその在り方を変えていくことが可能です。一人ひとりが問題意識と当事者意識をもち主体的に取り組むことで育まれる個々人の結束力は、組織の結束力へと繋がり理想的な組織へと変えていきます。

 そのためには、様々な職種や多様な価値観を持ち合わせたメンバー間におけるコミュニケーションは重要です。コミュニケーションとは、自身が率先して相手や物事に対し興味を抱く好奇心から始まります。興味を抱くから相手も興味を抱いてくれる。そのような好循環は波及効果を生み出し、世代間をも越え、馴れ合いでは決して育まれない絆で結ばれた信頼関係が醸成され、生涯に渡り個々人の人生に好影響を与えていきます。

輝かしい地域未来の創造

 私たちの住み暮らす地域は首都圏や主要都市への交通網が整備され、東日本の玄関口として目覚しく発展しています。都心へのアクセスが優れ、ベッドタウンとしての役割が強いため、地方都市では人口減少が問題視されていますが、一方で我々の活動地域である、さいたま市、上尾市、伊奈町においては増加傾向にあり、人口は約156万人を超えます。生活圏域の広がりから地域に対する関心が薄いという問題も抱えていますが、考え方を変えてみると「夢」や「希望」をもってこの地域に移り住んできている人が多いとも言えます。

 まちの未来を創造していく源泉は人にあります。一人ひとりがまちづくりの主役であるという自覚を持つことで、地域の課題や未来への課題を主体的に捉え解決への糸口を模索するとともに、自治に対する意識と地域力を高めていきます。また、地域資源と密接に関係性を持つことが可能な交流機会の創出や、地域に根差した新たな魅力をより浸透させ自身のまちへの関心を高めていく機会の提供は、改めて住み暮らすまちに向き合うきっかけとなり、地域に対する誇りと帰属意識の向上へと繋がります。

 他者に問題の解決を任せきりにすることなく、自らの力によってまちの課題に挑戦する情熱は、必ず周囲に伝播しまちを動かしていきます。自立した魅力溢れる地域となることで心の拠り所である「ふるさと」となり愛着心や誇りが確立されていくのです。

次代に繋ぐ組織の構築

 青年会議所はその名の通り会議を行い業務執行がなされる組織です。盤石な組織とは、厳格な規律によって保たれます。そして全ての物事には意味があります。それらを学び理解することは大変重要です。また、厳格な規律を踏まえた上での諸会議運営や事業・例会の実施から、運動の効果をより高めていきます。公に資する運動とは何か、理事長所信や委員会基本方針に沿って組み立てられた企画となっているのか、社会のニーズに対し乖離していないか、物事の本質はどこにあるのか等を調査研究しながら形に変えていく。そのためには様々な経験を自らが率先して求めていかなければならず、各地青年会議所や他団体との積極的な交流機会から刺激を得ることも重要です。

 また、青年会議所には出向制度があります。それぞれ異なる地域において活動してきた仲間との交流は、参加者の見識を拡げます。これまでも、埼玉中央青年会議所から多くのメンバーが出向した実績があり、良好な人間関係が継続されております。内外において、築き上げてきた貴重な縁を知ることは、改めて埼玉中央青年会議所を俯瞰する良い機会にもなります。在籍している限られた期間だからこそ大事に活用しなくては意味がありません。物事の本質は実際に触れ、自身の目で見て感じてみないと見えてきません。また、それらの実体験を自己満足に留めることなく、公に発信をしていかなければなりません。現在ではインターネット等の普及により、私たちは当たり前のように利用していますが、当たり前が故に、その扱いが疎かになりがちです。本質を見極め、受け手側のことを考え、丁寧に発信することで我々の運動は必ずや共感を生み出します。

 また、来年創立25周年という節目を迎えます。今日まで地域諸団体と共に連携して活動できたのも、先輩たちより受継がれてきた運動の歴史によるものです。受継がれていくべきものはしっかりと受継ぎ、変えていかなければいけないものは変えていくため、中期ビジョン「ビジョン2015」が公益社団法人埼玉中央青年会議所運動の羅針盤として策定されましたが、地域における課題を改めて検証し、より時代に沿った形に変えていく必要があります。

多様性豊かな人材の拡大

 1990年代にアメリカで浸透したダイバーシティという価値観がありますが、この地域には多様性を受け入れる環境が地域の特性上浸透していると感じます。正にこれからの青年会議所には、ダイバーシティ&インクルージョン「多様性の受容」が大事であると考えます。人には多くの個性があり、全てにおいて同じ人は存在しません。これから私たちに必要とされるのは、個々の違いや多様性を受け入れ、更には個々人の成長や事業の発展に活かしていくということです。その為には現在入会していない業種や職種等、幅広く仲間を迎え入れることにより、新たな知恵や知識を取り入れることであり、また会員の拡大は、地域における青年会議所運動への評価そのものでもあります。メンバーが青年会議所運動を具体的に理解し全員で実施する必要があるのです。そして、埼玉中央青年会議所の一員として自己の積極的変化を促していくためにも、先輩たちの築き上げてきた志を引き継ぎ、活動の魅力を最大限に伝えるとともに青年会議所の基礎知識習得の研修を通じ、何事にも果敢に挑戦する素晴らしいJAYCEEとなる教育を実施します。

おわりに

 私たちの人生には限りがあります。また、物事に果敢に立ち向かい挑戦できる特権が許される青年としての期間はもっと短いです。生まれも育ちも立場も異なる私たちに平等に与えられたものは「時間」です。どのように現在を過ごしていくかにより、自身に及ぼす未来は大きく変わると信じています。青年会議所の素晴らしさは、様々な人と出会い、語り、活動を通じた仲間との交流であり、積極的な行動ができるように自身を変えてくれることです。

 成功の対義語は失敗ではなく、挑戦しないことです。物事の本質を斟酌して、自らが考えどのように自己成長に結び付けていくのか。今、自身が所属している青年会議所を手法と捉え、限られたわずかな青年会議所としての時間を、限りのないまちの未来を真剣に考え、共に挑戦して参りましょう。