理事長所信
理事長 田中 太一
基本理念
人を創る、未来を創る
基本方針
- 次代を創る人材の開発
- 持続可能な先進的地域の創造
- 地域諸団体との連携
- 組織のアップデートと持続可能な運営
人は人によって磨かれ
人は地域の活力となる
地域を想う同志が集まれば
人も地域も輝く
未来は確定できないが
創造することができる
その挑戦に価値がある
成長しよう
皆が輝く地域を共に創ろう
はじめに
「市民が誇りに思える真の自立都市実現を目指して、我々の住む地域社会のために常に進歩への果敢な挑戦を行い、次代の旗手たらんことを誓いここに埼玉中央青年会議所の創立を宣言する。」公益社団法人埼玉中央青年会議所は創立宣言文の一節に掲げているように、「真の自立都市の実現」という目的のために誕生してから先輩諸兄姉の時代から長きに亘り、行政諸団体・地域市民を巻き込み、各時代の変化を的確に捉えながら地域に根ざしたまちづくり運動を展開してきました。現在、我が国は都市問題、教育、少子高齢化、パンデミック等多くの課題を抱えており、これまで以上に未来のことが予測困難な時代を迎えています。このような混沌とした時代だからこそ、私たちは創始の目的を忘れることなく継承し、率先垂範の精神で目前の地域課題を一つひとつ解決していきます。
次代を創る人材の開発
地域の未来を担うのはこの地域で育つ子供たちです。子供たちの成長には、学校や教育の場だけでなく、様々な社会体験を通して大人たちと関わり合いながら、いつの時代においても大切な道徳心や、思いやりを学ぶことが重要です。しかし、大人たちが未熟であっては、率先してその姿勢を示すことができません。子供たちのために私たちも含め地域の大人が成長し、それによって子供たちが成長する好循環を創り出すことが、地域の持続的な発展に繋がります。また、近年では計算機、情報科学の進化、そしてビッグデータ時代の到来によってデータの利活用が物事の判断において重要なことの一つとなっています。私たちは地域の青少年に対して、時代に適した知識を身に付けさせ使い方を実感してもらい、これからの社会を生きる力を養う教育を行います。また、社会のあらゆる課題を解決するためには問題を自分事として捉えて責任を持って行動することが重要です。私たちは地域の未来を担う市民と共に、当事者意識を持って行動することで享受できる利点を学んだ上で、目の前に存在する課題をどうするべきかを自ら考え、責任と自覚を持って主張できるような人材に成長します。
現代の社会における時流は非常に速く、指数関数的な変化が短期間で起きているのが現状です。このような時代において、リーダーは社会変化を的確に捉える広い視野を持ち、情報を適切に判断し実行に移すことができる人材でなければなりません。更に、組織がポテンシャルを発揮するために、組織のメンバー一人ひとりが自主的に行動するように導き、周囲を巻き込みながら課題を解決する力を身につける必要があります。更に、青年会議所メンバーは、自身に対する客観的な認識を深め、自らの言葉を整理して発信する力や、他人の言葉を理解する力を養うことも必要です。
また、組織内及び関係者間のコミュニケーションは重要です。メンバー同士が互いの心を通わせることになり、更なる積極的な交流へと繋がる好循環を生み出します。そうして生まれたコミュニケーションの波は、組織関係者や世代を超えた諸先輩方への感謝と信頼関係で結ばれたネットワークの構築へと波及し、確実に個人の成長の機会となり組織全体の活性化を図ることができます。更には、一人ひとりに強い絆で結ばれた人間関係が形成され、人生に好影響を与えていきます。
持続可能な先進的地域の創造
私たちの活動エリアには、積み重ねてきた歴史や市民生活、文化の中に地域の良さがあります。それを私たちが見出し魅力として地域市民に広く認知されるように発信することで、他にはない地域に根ざした魅力となり、地域の持続可能な発展へと繋がります。また、既知の魅力もこの地域が輝くために大事にしていかなければなりません。私たち青年会議所メンバーが地域市民と共に、地域に根付いている魅力を再認識し、継承しながら発信し、未来へと繋いでいきます。
国際的な地域へと視野を広げると、シンガポールやドバイを例としてAIやビッグデータを活用したデジタルトランスフォーメーションによって、暮らしやビジネスの在り方が変わり始めています。我が国でもこれを受け、内閣府より地域課題を最先端のテクノロジーで解決する「まるごと未来都市」を目指すスーパーシティ構想が発表されています。私たちはこの状況に鑑み、企業や各種団体が有するスーパーシティをめぐる技術や取り組みを調査研究し、私たちの活動地域が抱える諸問題に対して新技術を活用しながらどのように解決していくかを模索します。
地域の持続可能性を高めるためには、限られた資源を活用する為に地域の枠を越えた協力など、変化を受け止め適応するための広域連携が必要となります。埼玉中央青年会議所は2021年度、私たちの活動地域である上尾市、伊奈町、さいたま市とSDGsパートナー宣言を構築し広域連携への一歩を踏み出しました。私たちは、2 市1 町と共に宣言から実行へ移すべく連携し社会的変化に対して強靭性の高い地域づくりを目指します。
地域諸団体との連携
近年では以前にも増して、自発的で実質的な問題解決に繋がる市民参画が重要視されるようになりました。自治体だけであらゆる課題に対処するには限度があり、持続可能な都市を実現するためには、地域市民の協働体制の構築が有効だと言われています。私たちは、地域課題に自ら取り組む地域市民と繋がり、更に連携する基盤を築くことで、より多くの地域市民を巻き込んだ運動へと繋げます。私たちは地域市民と共に地域貢献し自己研鑽の機会に参画することで、自己成長していくことができます。そして、地域市民を事業参画から巻き込んだ運動を行うことで、自らの地域を作る行動力のある人材が溢れる地域へと繋がり、更に大きな運動展開を行うことが出来るようになります。
地域が直面している多くの課題に対しては、あらゆる分野で連携できる基盤があることで、解決方法の選択肢の幅を広げることができます。つまり、私たちの実施する事業は様々な組織間で連携して行われるべきです。まず、行政・関係諸団体・企業に、埼玉中央青年会議所の方針を示し共感を得ます。そして、青年会議所と連携するメリットを積極的に示し、パートナーシップを組み、事業実施における協働体制を構築します。パートナーシップを構築した各種団体と共に連携することでシナジーを生み出し、運動の効果を高めて地域にインパクトを与え、共感を生みさらなる連携へ繋げる好循環を生み出します。
組織のアップデートと持続可能な運営
組織とは、人によって作られるものではなく、人の集まりによって成っています。志を同じくする多くの仲間と共に活動することが、私たちの活動を持続的に行っていくことの基礎となり、個人の持っている力を最大限に発揮することが、組織力の向上へと繋がります。そのためには、男女や年代、国籍、環境等に関係なく多種多様な人材が青年会議所に参加しやすい土壌を作り、メンバーの個性を積極的に活かすことのできる環境を整え、個々人の力を合わせることができる強固な組織を作ります。新入会員に対しても、青年会議所がどのような団体であるのかを基礎的な知識を養い理解してもらいながら、JAYCEEとして成長するように青年会議所メンバーが一丸となって取り組みます。
私たちの運動を効果的に推し進めていくためには、より多くの人を巻き込むことが必要です。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により、SNSの活用のみならずオンラインでの新たなアプローチ手段の選択肢が増えました。私たちは各種メディアと連携し更なる幅広い広報媒体を利活用し、より多くの市民にアプローチを行います。
青年会議所の意思決定は、理事会や総会といった会議によって為されるため、メンバーの活発な意見交換が促される円滑な会議運営が必要です。新しい技術の活用は、これまでの意思決定の方式を改善できる可能性を秘めています。埼玉中央青年会議所の組織運営を見直し、効率的でかつ運動の効果を高める組織を構築し、メンバーが積極的に参加できる組織へのアップデートを目指します。また、会議では厳粛なルールの元、社会が求める高度なコンプライアンスを遵守しつつも、企画内容が目的達成に即しているか、予算が適正であるかを判断し、運動に反映させていきます。
青年会議所には出向制度という大きな機会があります。JCIやJCI日本、関東地区協議会、埼玉ブロック協議会の各種大会に参加することや、出向制度を活用することで、自らの属する地域を別の視点から見ることができ、新たな価値観が生まれ、個人が成長し、埼玉中央青年会議所がより大きなインパクトを生むことができる組織となります。また、出向者が意義と魅力を共有し、出向者が得た貴重な知識・情報・活動経験を、メンバーが理解することで組織力の向上へと繋げます。
全国大会開催5周年を迎えるにあたって
埼玉中央青年会議所は創立以来、全国大会の開催という大きな夢に向かって活動を行い、そして2017年、その夢を叶えることができました。その過程で得たものは私たちを大きく成長させ、地域の発展にも繋げることができました。創立から全国大会誘致案の決議、主管獲得、そして全国大会開催から今日に至るまでどのような歩みを進め成果を得たのかを振り返り、関係各所への感謝の意を伝えるとともに展開することで、今後の青年会議所運動の発展へと繋げます。
結びに
自分は自分自身でいい。自己肯定感を持つことでこれまでできなかったことにも積極的に挑戦できます。私は、青年会議所に入会する以前は自分の考え方に確かな軸を持てず、人との交流に恐怖心がありました。そんな私に機会を提供し、己を信じる心を与えてくれたのは埼玉中央青年会議所でした。「人を創る」と掲げたように、青年会議所には成長し新しい自分を創る機会が溢れています。同じ時を過ごし、互いに長所を認め合い、新たな自分を発見し、苦手なことにも支え合いながら挑戦し、誰もが誰かの背中を押す。そうして生まれた前向きな行動力は、人を惹きつけ大きなうねりとなり活力溢れる運動へと繋がります。私たち青年会議所メンバーは信頼関係を築き、互いを高め合って運動し、未知の世界を切り拓き、活力溢れる「未来を創る」可能性に満ちているのです。
正しいと確証できる道がない時代だからこそ、私たちは多くの出会いと経験の中から成長し、新たな創造を起こさなければなりません。青年会議所は個人の成長のみならず、物事や地域、国家等あらゆる事象の新たな「価値」を生み出すことができる組織です。そして、時代や社会情勢によって必要とされる価値を見抜き、物事に与えることができる、そんな組織です。私たちは青年会議所で、「人と未来」の新たな価値を共創し続けていきます。